プロファイル工具研削盤3機種を発表
工作機械商品の拡充を本格化

 
 
   アマダグループで切削機械と工作機械の販売を担当する潟Aマダマシンツール(社長 小川 愼一)は、従来に比べ加工時間が5分の1、面粗さが2分の1(いずれもクリープ加工時)という高度な機能を持つプロファイル研削盤の国内販売を開始する。工具研削用研削盤で、商品名は「DV-7M」。28日から東京ビッグサイトで開かれるJIMTOF2010(第25回日本国際工作機械見本市)に出展する。

 商品名「DV-7M」は砥石の前逃げ横逃げが同時制御できる「DV-7MU」からクリープ加工専用の「DV-7MT」までの3機種構成。JIMTOFにはこのうち「DV-7MU」を出品する。いずれも2009年9月に買収したドイツの研削盤メーカー「プロフィルテック社」の技術を踏まえ、日独共同で開発した新商品。2009EMOミラノで発表しており、JIMTOFが日本国内での初公開の場となる。「DV-7M」3機種の投入で、既存の「DV-1」「GLS-5P/5T」と合わせてプロファイル研削盤シリーズが一気に拡大する。

 「DV-7M」は工具研削加工ニーズをターゲットにした7軸制御多機能プロファイル研削盤。投影機にかわる倍率300倍のCCDカメラにより形状を高精度に計測、それをもとに加工するデジタルプロファイルで、とくに複雑形状の加工に威力を発揮する。
 またパソコン付NCを搭載してオリジナルCAMソフトによる※1同時3軸制御プログラムが容易に作成できる。7軸制御としたことでNCの自動化と加工速度の高速化が実現できたことも大きなポイントの一つ。

 こうしたソフト系の技術はアマダマシンツールが培ってきたもの。一方、クリープ加工の機構、全軸油静圧構造を採用し工具寿命を延ばすスライド部、振動を吸収する※2ミネラルキャストベッドなどの機械構造はプロフィルテックの技術。

 本体価格は4300万円〜5000万円で、JIMTOFを契機に本格的な受注を開始する。

 アマダマシンツールでは、1941年にプロファイル研削盤を発表して以来、常に最新技術を開発し工具業界に提供してきたが、ここ20年は金型部品業界にターゲットを絞り、リードフレームに代表される高精度微細金型研削ニーズに応えるべく高面粗度を追求していた。

 しかし近年は自動車部品加工の工程集約化、医療機器用部品や航空機用部品の難削材加工など、切削工具への特殊形状研削加工のニーズが急速に高まっている。こうした市場動向に対応するため、開発したのがDV-7Mシリーズ。
 工具は種類が多く、今回のシリーズ3機種ですべての加工に対応するのはむずかしい。
今後、機種のシリーズ化に注力、機種揃えを図る方針。


DV-7M 主な仕様
項目
単位
DV-7MU
DV-7MH
DV-7MT
テーブル移動量
(XxYxZ)
mm
300×200×130
昇降台移動量
mm
7MU:110
7MH:100
65
昇降最大速度
rev/min
225(15mmストローク時)
といし旋回角
deg
±45
前逃げ/横逃げ角
deg
前:-1〜20
横:±10
といし寸法
mm
小径:φ32×4×φ8
中径:φ75×4〜6×φ22.23
大径:φ150×3〜10×φ31.75
HSK32
大径:φ250×3〜10×φ31.75
HSK40
といし回転速度
min-1
小径:40000
中径:20000
大径:8000
6000

※1. 同時3軸制御:砥石軸旋回とテーブル軸2軸を一つの指令で動かすこと
※2. ミネラルキャスト:ポリマーコンクリートとも呼ばれ、選別し破砕した自然石を熱硬化樹脂で注型硬化させたもので、鋳物よりも減衰特性が良い