中国・上海に統括会社設立
中国市場の拡大に向けて記念の大型展示会を開催

 
 
    アマダ(社長 岡本 満夫)は、中国・上海に統括会社「天田(中国)有限公司」を12月に設立した。エンジニアリング提案のできる体制を構築して顧客の満足度を高め、成長を続ける中国市場のさらなる開拓をはかるのが最大の目的。2013年には工場、テクニカルセンター、パーツセンター等で構成する新上海事業所を建設、強固な事業基盤に基づいた経営を加速させる。

 「天田(中国)有限公司」の資本金は当社全額出資の3,000万USドル。社長には天田(上海)机床有限公司総経理の福井幸弘が就任する。発足当初の従業員は20名で、2013年までに51名(日本人13名、現地中国従業員38名)に増員する。所在地は上海市青浦(ちんぷ)区。

 中国は市場の拡大に伴い内部の経済環境に変化が生じてきており、特に中国政府による内陸部のインフラ整備などの格差是正対策で、地方中核都市での経済成長が著しいことに加え、労働者の内陸部回帰による中国沿岸部の賃金高騰で、近隣の東南アジアとの価格競争が生じ、外資系企業を中心として製造拠点の移転や国際競争力の強化を余儀なくされてきている。今までアマダは沿岸部を中心とした北京、上海、深センの地域毎の販売・サービスの現地法人が本社と連絡を取り合い独自の活動をしてきたが、中国の地域性を反映させた商品企画、開発や製造に加え、人事、財務面まで一元管理した経営効率の向上と中国の顧客の満足度を高めるための様々な対応を行う必要性が生じてきた。
 まずは現在の沿岸部中心の15の販売拠点を内陸部へ至る22ヶ所に拡大することに加え、金属加工機械の総合メーカーとしてエンジニアリング提案にも対処できる充実した体制を構築する。これにサービス網の充実、ファイナンス事業を加え、アマダのハードとソフトを中国市場に幅広く浸透させ、アマダブランドの浸透を図る。

 これを具体化していくのが2013年に建設する新上海事業所。その生産能力は現状の2倍の月産120台で、ベンディングマシン、レーザマシンに加えパンチングマシン、金型の生産も行う。またテクニカルセンターでは、顧客の日々の課題からトータルの金属加工に至るまでエンジニアリング提案を行う。さらにパーツセンターの稼働で、確実なメンテナンス、迅速な部品供給が可能となり、金属加工のすべての面で最高のサービスを提供する環境が整う。
 アマダは、世界市場を日本、中国、アセアン、欧州、北米の5極に分け、シフトグローバル化の強化を図っているが、中国統括会社は北米、アセアンに続く3つ目の統括会社となる。

 現在、2010年度の売上額1,631億円を、2013年度に2,500億円とする中期経営計画を進めているが、中国は150億円から350億円と、5極中最大の2.3倍という伸びを見込んでおり、中国市場の売り上げが中計達成のカギを握っている。統括会社は拡大する中国市場をさらに取り込むことを狙いにしている。

 アマダは統括会社「天田(中国)有限公司」のキックオフ記念として、12月16日から19日の4日間、中国・上海の「上海万博会場世博展覧館」を使ってプライベート展「AMADA Innovation Fair 2011 in China」(AMADA中国展2011)を開催する。

 招待客5,000人、展示製品50機種という大規模な展示会。約1万平方メートルに達する大型の展示スペースに、マシンを展示する6つのパビリオンと、ソフトなどを展示する4つのアイランドを設ける。展示するマシンはレーザマシン、パンチ・レーザ複合マシン、パンチングマシン、ベンディングマシン、プレスマシン、工作機械、切削・構機などアマダの全ソリューション。
 また17日と18日の両日、セミナーを開催する。17日はアカデミックセミナー、18日はテクニカルセミナーとし、17日は「10年後の中国のモノづくり」(中国機械工程学会副理事長兼秘書長 宋 天虎氏)、18日は「中国レーザ加工技術の動向」(華中科技大学機械学院教授 朱 曉氏)など2日間あわせて4つのセミナーを開催する。

 このフェアの初日となる16日はプレ開催で、記者会見のほか中国行政要人、業界要人を招いて岡本社長主催のVIP晩餐会を開く。
 17日はオープンイベントとしてテープカットを行い、フェアの幕が開かれる。

 アマダは2009年4月、中国・北京の釣魚台国賓館で中国機械工具協会(工業会)の協力を得て「国際金属加工技術フォーラム」を開催しており、今回が中国で開く2度目のイベントとなる。