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第15回優秀板金製品技能フェア優秀製品
造形を主眼とする組立品の部・銀賞


『立体ジグソーパズル
軽トラック・ヘリコプター』

プレコ技研工業株式会社(広島県福山市)

(写真1) 高度なレーザー切断技術をアピールするツールとして話題を集めている

 

 


(写真2)

(写真3)
写真2〜3  ヘリコプターとジグソープレート。組立の難度はさらに増した

ーザー加工機で鋼板に"一筆加工"した数10の部材(ピース)を組み立てるプレコ技研工業の立体ジグソーパズルは、優秀板金製品技能フェアへの出品を通して広く周知され、注目を集めている。1号製品となった飛行機(写真6)、昨年のフェアで銀賞を受賞した4駆自動車(写真7)、そして今回受賞した軽トラック、ヘリコプターとシリーズ化も定着した。

 これらの製品は、会社案内に掲載することを目的に、自社の加工技術を造形的にイメージさせるために生み出されたもの。「技術力、視覚に訴える造形力に加えて、知恵の輪みたいに組立に創意を必要とするものをつくったら面白いだろう」という小林真一社長の発想が製作のきっかけとなった。




(写真4)

(写真5)
写真4〜5  組み上がった軽トラックとジグソープレート。レーザーのすきまが±5/100mmの精度におさまっている
 

"現在では、レーザー加工機による高度な切断技術をアピールするセールスツールとしても大活躍。60以上のピースをつくりだすためのレーザー切断の走行距離は十数メートルにおよぶが、そのすきま精度は±5/100mm以内。がたつきは全くない。無酸化切断でヘリコプターは6分、トラックは7分で加工は完了する。材質はともにSUS304、板厚1.5mm。切断線をクロスしてレーザー光が通ることはなく、各ピースは手で簡単に外すことができる。CADを含めた高度のレーザー加工技術を有するゆえの製品である。ミクロジョイント部は、組立中に手を傷つけないよう組立品の内側に切り込まれるなど細かい工夫も多い。位置決め用のホゾを切って強度に対する留意もなされている。

 造形的にも机の上などに置いておきたいと思わせる親しみやすさが功を奏している。そして組立の面白さがひとを惹きつける。難度は新作ごとに高くなり、今回の受賞製品ではピースを入れて一度戻さないと組立が進まないなどのトラップが施されているのも楽しい。


形と組立の面白さに興味が行きがちだが、受賞製品は試作の比率を高めるプレコ技研工業の総合力から生み出されたことを見逃してならない。

「試作は技術、技能に加えて創造性を持つことが重要なファクターとなります。創意工夫を現場のなかに組み込み、育んでいくことが不可欠なのです。図面から製品形状を思い描き、最適工法は何かを組み立てていくVEの追求も義務づけている。立体ジグソーパズルも日常の作業の積み重ねのなかから生み出されたものであり、でき上がったヘリコプターや軽トラックなどは社内の創造性を改めて育むよきツールともなっているのです」(小林社長)

 26名の社員のうち、20歳代が11名という若き技術者集団のプレコ技研工業。鋭い感性の練磨がモノづくりの楽しさを生み出し、企業活性化の原動力となっている。






■プレコ技研工業株式会社
本 社

広島県福山市箕島町6280-15
福山テクノ工業団地内
TEL 084-920-3320

設立 1970(昭和45)年6月
代 表 者 小林 真一
資 本 金 3800万円
社 員 数 26名
事業内容 精密板金・精密機械・精密プレス加工および金型設計製作など
U R L http://www.pleco.co.jp
E-mail 会社宛の事務連絡等
 pleco@pleco.co.jp
CADデータ
 data@pleco.co.jp
社長宛直通メール
 kobayashi@pleco.co.jp

(写真6) 1号製品となった飛行機
(写真7)昨年のフェアで銀賞を受賞した4駆自動車