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第16回優秀板金製品技能フェア優秀製品
造形を主眼とする組立品の部・銅賞


『モニュメント』
有限会社ウシオ工産(広島県福山市)

(写真1) 円筒でボックスをつなぎ、過去、現在、未来の時間軸を貫く刻の流れを表現している。加工の注目点はボックスの表面に微妙なRがついていること。製作者のこだわりが見える。
 
社長・作のモニュメントである。潮社長が造形作家となり、製作の監理も行った。

 過去、現在、未来という時間軸を貫く“刻の流れ”を、二つの箱型構造体(ボックス)と円筒との組み合わせで表象し、中空に目を当てると未来の先が見えることを、造形化したものだ。
(写真2)平板を溶接し箱型構造としたため、直角部はエッジが立ち、すっきりした印象を与える。


ンプルな形状のなかに、製作のプロセスを知り尽くしているがゆえの“技術の妙味”が各所に組み込まれている。ステンレスのサッシ製作で培ったノウハウ、技術・技能を集大成して製作したところに注目したい。

 台座、そして上部二つのボックスはそれぞれ6枚の平板を溶接して箱型構造とした。曲げ特有のふくらみがコーナー部にでることを避けるためである。エッジの立った直角部の形状がモニュメントをすっきりとまとめ、全体から受ける印象を鋭角にしている。

 第2のポイントはモニュメントを構成する台座を含めた箱型3点とも表面に軽いR(アール)を付けていることである。上部2体はよりゆるやかな角度を描いているが、大径のRは高度な技術を必要とする。ロールで加工したものだ。側板とRの角度を合わせなければならないため、ロール曲げにあたっては角度出しにきめ細かい配慮が必要となる。両者のRの角度が一致しなければ、溶接時に矯正が必要となり、結果的に所要の構造を得ることが難しい。

 溶接時の歪み対策も重要なポイントだ。4辺の全周溶接となるため、歪みの発生は避けられない。しかも溶接線が直線でなく、曲線になっているため歪みの発生も複雑かつ多岐にわたる。点溶接を打つ位置と順位が成否のすべてを決めるが、曲げ構造をとらず表面に大Rを付けた板材を張り合わせて、微妙な曲線をもつ箱型構造にしたことは、サッシ製作によって蓄積した技術を活用したものである。言いかえれば、高度なサッシ技術の保有を表現するためのモニュメント、ということもできる。

 
(写真3,4)多様な表面仕上げを施している。ボックス表面は鏡面仕上げの上に線状にマスキングし、残りにヘアーラインをかけた。側板はきさげの跡に似たカール仕上げとしている

(写真5)円筒は2枚の平板をカーリングして作製
上げの工夫も見逃せない。材質はSUS304の鏡面仕上げだが、線状にマスキングして、残りにヘアーラインを かけている。側板はきさげの跡に似たカール仕上げだ。鏡面、ヘアーライン、カール仕上げと、サッシ加工に用いられる仕上げ手法を上手く組み込んでいることがわかる。鏡面を線状に残したことで強いアクセントができあがった。二つのボックスを結ぶ円筒は、2枚の平板をカーリングして作製したもの。表面にはバフ仕上げを施した。形状全体をシンプルにしたのは「加工のごまかしがきかないため」(潮社長)である。



■有限会社ウシオ工産
本  社

広島県福山市津之郷町大字加屋堂ノ端34の2
TEL 084-951-8301

創業 1981(昭和56)年
設立 1988(昭和63)年
代 表 者 潮 稔
社員数 13名
事業内容 ステンレス・スチール製サッシ・ドア、建物内外装パネル、ステンレス手摺他、建築金物一式
URL http://www.ushiokosan.co.jp

潮 稔 社長