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第19回優秀板金製品技能フェア優秀製品
日刊工業新聞社賞
機械的結合を主体とする組立品の部・金賞



『風力発電機の翼』
株式会社イコマ・メカニカル

 
 
精密板金らしさで挑戦

 優秀板金製品技能フェアには第1回から参加しています。最初の募集がちょ
設計は3次元CAD・SheetWorksを活用。
空気抵抗を抑えるために皿リベットを使用。
うど会社設立の年で、自社の知名度向上と実力を測ることが目的でした。以後連続12回出品し、その間金賞や銀賞の栄誉も受け、当初の目的は達成できたと考え、ここ数年は参加していなかったのです。しかしもう一度、精密板金らしい製品で挑戦したいという気持ちから、今回の出品に至りました。

 この製品は産学共同開発による風力発電機用の翼です。将来の各家庭における風力発電を視野に入れたもので、地球環境にも貢献できる。とても価値あるモノづくりです。しかし製作は簡単なものではありませんでした。

 最初から図面はなく、断面図のポンチ絵からスタートし、設計から製造まで委託されたのですが、条件がなかなか厳しい。翼の上・下面からの流体ラインの指定や軽量化による板厚指定、空気抵抗を抑える構造など、どのようにつくっていくか、頭を悩ませました。

 設計は3次元CADにより勘合を確認し、試し加工を極力なくしています。また試作品でもあり、汎用金型のみで加工しました。さらに空気抵抗に対しては皿リベットを使用し、凹凸のない面を実現しました。この皿リベット加工による穴の位置決めの精度出しは、かなり苦労した点です。

晴れの表彰式には社員も参加。喜びが自信へとつながっていく。
関係者全員が喜ぶ受賞

 製品は5個つくりました。精密板金は繰り返し精度と生産性が重要です。精密板金をよく知る人々に評価され、とてもうれしく思っています。

 受賞はお客さま・社員双方に喜びを与えられます。お客さまには会社のレベルを改めて認識いただけ、社員は受賞が自信へとつながっていくのです。

 これから精密板金業界は厳しいという声も聞きますが、私は常に品質や生産性について向上心を持って取り組めば、強い企業体質を生むと信じています。そのためにはまずヒトづくりから始める。そういう気持ちで取り組み、フェアもその1つとして捉えています。


製品の

ポイント

汎用金型のみによる製作
加工困難な形状もノウハウで対応
 
凹凸のない皿リベット加工
空気抵抗を抑えるための加工手段




寸  法
W220×H60×D800mm
要求精度
±0.2mm
加工時間
70分
生産形態
試作品
材  質
A5052
板  厚
0.6mm
部品点数
15点
 
会社概要
本  社

石川県金沢市打木町東1430
TEL.076-249-4180

創  業 1976(昭和51)年
代表者 生駒 寛
社員数 48名
事業内容 パソコン周辺機器・産業機器の板金加工部品の製造、OA機器・電化製品
URL http://www.ikoma-mec.co.jp
「精密板金の技能・技術をさらに進化させていきます」
(生駒 寛社長)。