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第20回優秀板金製品技能フェア優秀製品
中央職業能力開発協会会長賞
溶接を主体とする組立品の部・金賞


『スクリューコンベア』
シンエイメタルテック株式会社

 
 
田原和幸社長と井手優喜製造一課課長、船山伸一郎管理部長(前列右から)、北島秀格営業課課長、曲げ担当・古賀益男氏(後列右から)。
田原社長
チーム力による受賞

 第18回の初出品・銅賞が社員のモチベーションアップにつながり、目指せ!金賞≠ナ取り組んできました。前回までは各人がつくった中で、見栄えや形で出品製品を決めていましたが、今回は初めてプロジェクトチームを結成し、何を、どこを見せるかなど、ポイントを絞り、製品コンセプトを決めてから、製作に取りかかりました。製品のアイデアは船山伸一郎管理部長が出し、そこからは30歳前後の若手社員が中心となり、話し合いを続け、各工程を分担しながら、仕上げました。

 まず考えたのがスクリューコンベアを板金のみでつくるという点です。そして製品内面をいかに見せるかでした。この際ポイントとなったのが、内面の曲げと溶接、さらにスクリューとの結合部のクリアランスです。

 スクリューを収める円筒はパイプではなく、曲げと溶接による成形です。ロール曲げとベンディングマシンによる一体曲げの後、バックシールド溶接により接合しています。また製品上部の加工は深勾配曲げによる成形です。曲げ、溶接ともに当社随一の技能・技術を駆使したもので、高精度な製品ができました。溶接を見せるポイントにしていたため、あえて仕上げなかったのですが、その部分を投票された方・審査委員にしっかりと見ていただき、評価されたと感じています。

手前のハンドルでスクリューが回る。曲げ・溶接の高い技能が厳しい公差を実現。すき間はほとんど見られない。
継続が重要

 今回曲げはベテラン社員、企画や展開、溶接など他工程は若手社員が担当しました。ベテランの技能と若手の発想力・思考力がうまく融合された結果であり、今後の技能伝承にも生かしたいと考えています。

 目標は達成されましたが、大切なのは続けることです。1回限りではなく、続けて良い製品を生み出せるよう、取り組んでいきます。すでに社員は次回の構想も持っているようで、受賞の自信が一層の意欲・技能向上につながっています。


製品の

ポイント

曲げと溶接の一体化
パイプではなく曲げと溶接による成形加工
 
製品の企画と見せ方
加工技能・技術の焦点を絞ったアピール




寸  法
350×280×750mm
要求精度
±1mm
加工時間
2100分
生産形態
試作品
材  質
SUS304 片研(♯400)
板  厚
1.5、2.0mm
部品点数
10点
 
会社概要
本  社

佐賀県神埼市千代田町崎村551
TEL.0952-44-2150

創  業 1967(昭和42)年
代表者 田原 和幸
社員数 40名
事業内容 半導体製造装置関連部品や半導体洗浄装置関連部品などの精密板金加工、レーザ加工、各種溶接
URL http://www.shinei-metaltec.co.jp
  九州シートメタル工業会会員
「どうすれば当社の技能・技術をアピールできるかを考え、製品の形状・大きさなどを決めました」(全体のコーディネート役を担った北島課長)。
「『できない…』と思うものもありましたが、逆にそれだからこそ、挑戦のしがいがありました」(プログラムを担当した井手課長)。