IT活用インタビュー
 
ネットワークの活用が急成長の原動力

− アクティブホームページの導入で電話問い合わせの負担が大幅に軽減−
アルファプロデュース有限会社
代表取締役   三柴彦和
住所   栃木県下都賀郡岩舟町静戸794-2
TEL   0282-55-5798
創業   2002年
従業員数   8名
業種   工業プレス板金、製缶板金、設計製作、鋼板製品販売
URL   http://www.alfapd.co.jp/
     
会社経歴   三柴彦和社長が1990年、個人会社として創業、当初は溶接業者としてスタート。2001年にレーザマシンを導入したことから本格的に板金加工に取り組む。2002年、アルファプロデュース有限会社として法人化。

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主要設備
レーザマシン FO-2412NT+LST-2412FO、FO-3015+LST-3015FO、FO-3015 の3台、ベンディングマシン HDS-1303NT、FBDV-1025NT、FBD-8020NT の3台、2次元CAD/CAM AP100α 2台、曲げ加工データ作成全自動CAM Dr.ABE_Bend、生産管理システム WILL受注・出荷モジュール+M


▲奥さまの由江取締役(左)と三柴社長(中央)とアルファプロデュースの社員のみなさん

▲三柴彦和社長
 1990年、三柴彦和社長が溶接専門の個人会社として創業。当時の三柴社長の年齢は29歳で来年1月に創業20周年を迎える49歳。生産工程のネットワーク化とIT化を推進し、着々と業績を伸ばしているが、はじめから順風満帆だったわけではない。

 創業当時は、奥さまの由江さん(現在は取締役)と2人で1日中、溶接作業をする毎日。10年ほど経過した段階で、三柴社長は溶接以外の工程まで業務を拡大することを構想した。

 「溶接工程は最終工程でまとめるだけ。少ない設備で始められたのは良かったのですが、前工程の図面のバラシから任せてもらえれば付加価値も改善します。前工程で不具合があっても後工程で調整するなどの融通もききます。もちろん納期は守らなくてはなりませんが、前工程から受注した方が社内でコントロールでき、自分たちのペースで仕事を進められます。発注元と直接交渉ができるのも大きい。それなら溶接の仕事に余力があるうちに方向転換しようと考えました」と三柴社長は語る。

 業務の拡大も、アングル、チャンネル、フラットバーといった形鋼を高速カッターで切断し、ボール盤で穴あけ、タップを立てる仕事から始め、それからセットプレスやベンディングマシン(RG)を導入していった。その後、材料を支給してもらうのではなく自社で調達し、発注元から図面を受け取って展開するところから受注できるようにするため、2001年にレーザマシンFO-3015を導入した。

 これを皮切りに、2005年に高速シャトルテーブル付きのFO-3015+LST-3015FO、2007年に同じくシャトルテーブル付きのFO-2412NT+LST-2412FOを導入し、現在は3台のFOシリーズ機を保有。 FO-2412NTを除く2台のFOも、現場端末PEU/Winを介してすべてネットワークに対応している。ベンディングマシンも2006年に導入したFBD-8020NT、2008年6月に導入したFBD-1025NT、今年3月に導入したHDS-1303NTと3台を保有している。

 2台のAP100αは、1台は展開、プログラム専用、もう1台はネスティング専用と使い分けている。Dr.ABE_Bendは複雑な曲げ加工を要する製品の干渉チェックを行う場合のみ活用している状況。作成した加工データはASIS100PCL(SDD)に保存し、リピート品の2度づくり防止に役立てている。

 加工材料はSS、SPC、SPHなどの鋼板がほとんど。板厚は薄板よりも、6〜12oの中・厚板が多い。即日納入にも柔軟に対応し、後発ながら少しずつ発注元の信頼を勝ち取っていった。


 アクティブホームページで発注元の問い合わせが激減

▲アクティブホームページの受注状況確認画面

▲2001年に導入したFO-3015もPEU/ Winを介してネットワークに対応している

▲AMNC/PCで曲げ順を確認し、2008年に導入したFBDV-1025NTで曲げ加工を行う
 アマダアイリンクサービスが提供するアクティブホームページサービスを三柴社長が知ったのは、今年1月末に宇都宮で開催されたアマダの北関東展。デモの画面や説明を受けて、「とにかくお客さまからの問い合わせが減るんだな」と思った。

 同社の得意先は10数社。このうちコンスタントに受注しているのは3〜4社。1日に何百点という注文が来るのは1社のみだが、この1社からの問い合わせ対応が他の業務に支障をきたすまでに膨れ上がっていた。受注点数が多く、発注元の資材担当者も複数いるため、内容が重複した問い合わせも多かった。多い時には1日10件以上。受発注、納期確認、納入確認、キャンセル、前倒し、図面確認?すべての連絡を電話で行っていた。このような課題を抱えた状況で、煩雑な問い合わせ対応を大幅に軽減する同サービスを見た三柴社長は、「これは画期的だ」と思ったという。

 同サービスは、生産管理システムAPC21(アマダシステムズ社製)またはWILL受注・出荷モジュール+M(ケーブルソフトウェア社製)が管理している生産状況の情報(受注・手配・完成・出荷)を各発注元向けの専用ページに自動公開するというもの。発注元の資材担当者は専用ページを閲覧することで受発注情報や工程進捗情報、発注時の負荷の状況、納品状況などをいつでも把握することができる。

 生産管理の一部を公開することについても「抵抗はまったくありませんでした」と三柴社長は語る。「逆に言えば、当社が情報をオープンにしているわけですから、お客さまの資材担当者はそれを見て『この日は仕事が集中しているから別の日に頼もう』『前倒しして依頼しよう』といった調整をすることもできます。お互いにメリットのあるサービスだと思います」。


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 発注元からの電話問い合わせが激減

▲現場でも3カ所の端末でアクティブホームページの受注状況を確認することができ
  サービス開始後、社内でシミュレーションしてから、発注元の社長と資材担当の責任者にプレゼンテーションを行うと、その翌日から電話の問い合わせが激減した。

 受発注、納期、納入状況の確認は、発注元が専用ページを閲覧することで一目瞭然。納期や個数などの変更依頼は、発注元がアクティブホームページ上で変更依頼をかけると、自動的に問い合わせメールが会社の PCと、社長と取締役の携帯電話に届く。社長と取締役は携帯電話で内容を確認、社員は社内の各所に設置してあるPCから確認し、担当者が変更の可・不可を回答。それがアクティブホームページに反映されるとともに発注元の資材担当者にも回答メールが届くというスムーズなサイクルになっている。

 「このシステムを導入したからと言って、杓子定規な対応になっているわけではありません」と三柴社長は語る。「本当に重要な要件であれば、発注元の資材担当者は電話をしてきます。そうなれば当社もすぐに『重要なんだな』と認識しますし、飛び込み・割り込み・特急品にも従来どおり柔軟に対応します。ただ、注文内容の変更は毎日のように繰り返し発生することですから、ルールを決めてできるだけ簡略な形にしておいた方が話が早い。事実、お客さまにもとても好評です」。

 導入後の1カ月間が経過した現在、電話による問い合わせは累計10件に満たない。導入前は多い時で1日10件を超えていたことを思えば、格段に改善されている。

 WILL受注・出荷モジュールが見積り作業を大幅に軽減
 アクティブホームページと連動しているWILL受注・出荷モジュール+Mと、昨年4月にオプションで導入したWILL見積りモジュール+LDも効果を発揮している。

 「昨年から今年にかけて顕著でしたが、材料費の変動が激しいために材料費のきめ細かな管理が必須となっています。すべての受注品に対して材料費を算出し、見積り金額に反映させるのは非常に煩雑な作業です。そのために当社では、発注元との取り決めをすべてWILL見積りモジュール+LDのパラメーター設定として細かく登録しています。見積りソフトを運用するうえで、パラメーター設定がキモだということがよく分かりました。パラメーターによる自動計算でも、発注元のコストテーブルと当社の見積り金額の間に食い違いが生じることはほとんどなく、誤差があったとしても数円単位です。お客さまも楽ですし、後から検証することもできて良いこと尽くめです」と三柴社長は語る。

 太陽光発電の実証事業に参加しエコ工場を推進

▲社屋の屋上に設置された96枚の太陽光発電パネル

▲社内の液晶画面には太陽光発電の発電状況が随時表示される
 設備のIT化にとどまらず、同社では環境に配慮した新エネ・省エネ対応のエコ工場の推進にも力を入れている。今年3月、同社はNEDO(独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)が実施する「エネルギーイノベーションプログラム 新エネルギー技術フィールドテスト事業」の一環として、社屋の屋上に太陽光発電パネルを設置した。同事業は住宅分野に匹敵する潜在導入可能量を有する産業分野への導入拡大を促進するための事業。同社とNEDOの共同出資で次世代型太陽電池モジュールを導入し、向こう5カ年間
にわたって実証試験を行う計画となっている。

 同社の屋上に設置された太陽光発電パネルは96枚、発電容量は1日に10kW。工場全体とまではいかないが、HDS(1時間あたりの消費電力1〜1.5kW)1台が1日稼働する程度の電力はまかなえるという。49歳の創業社長はこれまでの急成長にも満足することなく、さらなる成長を望んでいる。

 
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