2. 寸法がでない
曲げ加工を行うと、ワ−クには必ず“伸び”が発生します。
この“伸び”は別紙「常用片伸び表」にあるとおり、使用するダイのV幅で異なります。
曲げフランジ寸法を図面公差内に収めても、残り代(曲げ芯より手前側)が公差内に収まらない場合には、ワ−ク切断時に想定した片伸び値を再度確認して下さい。V幅選定やパンチ選定が間違っている可能性もあります。
また、曲げフランジの左右で寸法の差異が発生している場合、以下のような原因が考えられます。


寸法左右差の原因

  1.金型に原因がある場合
  2.機械に原因がある場合
  3.前工程に原因がある場合
  4.プログラムに原因がある場合

 

寸法左右差の原因
【1.金型に原因がある場合】
パンチ・ダイの摩耗による影響
パンチ先端Rやダイ肩Rは曲げ伸び値に影響します。
分割金型などで極端に摩耗度合いの異なる金型を組み合わせた場合、伸び値の違いから寸法左右差を生じる事が有ります。

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【2.機械に原因がある場合】
パンチとダイの芯がずれている
金型が芯ずれを起こしていると、寸法左右差が発生します。
再度“芯出し”を行ってください。また、分割ダイを使用している場合には、レールとの間の「ガタ」がないかを確認してください。

ボ−ルネジなどL軸駆動部や、突き当て本体のガタの確認を行って下さい。
突き当て高さによって左右差が変化する場合には、ポストの倒れ込みや、バックゲ−ジ突き当て面の垂直度なども確認の必要があります。

L軸位置決めの問題
バックゲ−ジの位置決めが左右で異なっている場合には、当然寸法の左右差が発生します。
この場合にはどの工程でも、金型段取り換えを行っても寸法左右差は発生し、「左側が必ず小さい」など、その傾向は同一方向です。

 



【3.前工程に原因がある場合】
ワーク突き当て面の影響
ワ−ク突き当て面に極端なバリ、ニブリングの突起、成形加工やタッピングの“ふくらみ”がないか確認して下さい。
ワーク前加工の影響
ワ−ク曲げ線部付近の片側のみに成形加工・連穴加工などがあると、それらの加工時に発生した“ひずみ”よって曲げ時の伸び値が影響を受ける事があります。また、穴がダイ肩部に掛かるような曲げを行った場合、ダイ上での“すべり量”が異なってくるため寸法左右差が発生する事があります。

 


ワークキャンバーの影響

シャ−リングにて短冊状にワ−クをカットすると、“扇形”に切れてしまう事があります。これを“キャンバー”と呼びますが、この状態のワ−クを長辺方向に曲げた場合、両端と中央部で寸法差が発生してしまいます。
この寸法差については、「バックゲ−ジの位置調整(横方向)」や「ワ−ク中央部に突き当てを設ける」などで、ある程度調整できますが、基本的にはキャンバ−の発生を抑える対策をとってください。

 

【4.プログラムに原因がある場合】
プルバックデプス値
プルバックを行っている工程のみで発生する場合には、プルバックデプス値を再度確認してください。
プルバック時にワ−クの“噛み込み”があまいと、ワ−クがずれる可能性があります。

突き当て高さの影響

Z形状曲げの場合は前工程で曲げた部分を突き当てますので、前工程の角度左右差が2工程目のフランジ寸法に影響します。この場合は、突き当て部分を出来るだけ上にとる事により角度左右差による影響を少なくする事ができます。