2018年1月23日(火)に盛岡駅のホテル ルイズにおいて、平成29年度 北東北シートメタル工業会の賀詞交歓会を行い、ご来賓の方々ならびに会員企業さま50名さまにご参加いただき盛大な会となりました。賀詞交歓会の様子をご報告いたします。
第1部 講演会
演題:『2050年の産業・経済 -イノベーションは世界を救うか?-』
講師:千野 俊猛 様
国立大学法人電気通信大学 特任教授
株式会社アマダ 社外取締役 他
全日東京では大雪が降り、慣れていない東京では電車が止まるので、前日より盛岡入りいたしました。
近年本当に難しい時代を迎えており、大きな仕組みが変わってきています。どうなっていくのか、読んでいかないと大きな問題が生まれてきます。次の時代に対応する備えをしていくためにお役に立てればと思っています。
イノベーションでリスクをチャンスに!
イノベーションとは
技術革新。「新しい切り口」「新しい捉え方」などを創造する行為により新世界を現出する。
具体的には、大容量・超高速の「インターネット」「クラウド・コンピューティング」「モバイル機器」の融合によって新しい価値を生み出すこと。
AI・IoTにより、2050年までに産業・経済が一変する。
本業がなくなる危機
記憶媒体・・・テープがなくなり、TDKは電子機器に業種形態を変えている
写真フィルム・・・富士写真フィルムは化粧品、医療に業種展開を図っている
自動車エンジン・・・水素自動車やEVに変わり、モーターに変わっている(トヨタは2050年までにエンジンをなくす宣言を発表)
鉄に代わる素材・・・自動車ボディは炭素繊維など使用。製鉄会社
変化を予測してイノベーションで対応していった一例
AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)の技術を取り入れていくことはこれから必須です。トヨタは高額投資をしてAI技術の研究を進めています。
AIによってなくなる仕事があると懸念されており、2045年にはAIの知能が人間の知能を超えると言われ、「シンギュラリティ」という名称がつけられ、危惧されていますが、人工知能は決して人間の敵ではなく、社会を豊かにするものと考えます。
AIで生産性向上、技能向上を図り、生活を豊かにしていける。ただ、AIのリスクは人間が使い方を誤ることで、環境や人間にやさしいものにしていくことをしていく必要があります。
IoTはあらゆるものがインターネットで繋がることによって実現する新たな商品、サービス、ビジネスモデルです。モノづくり日本にとっては大きなチャンスで、AIもIoTもモノづくりで活用していかなければなりません。
アマダでも「V-factory」という先進的なIoTをリリースすると聞いています。AIやIoTを活用して、モノの作り方を変える、使い方を変える。そして工場内だけだったものが工場同士、企業同士、他業種でも、国内・海外までつながっていくことができます。
現状の課題は人手不足ということは皆さんが肌で感じていること。解消には自動化、ロボット化で労働力を補い付加価値をつける。そしてシニアの活用です。平均寿命も年々伸び、元気なシニアが多いので、うまく活用していっていただけたらと思います。
今後イノベーションの波に乗れる人と乗り遅れる人で格差が生まれます。この大きな変革の波に乗れるように取り組んでいきましょう。
◆会長からの御礼
やはり千野節は素晴らしい!元気をいただき、刺激をいただきました。私たちが知らない部分を教えていただき、どんどん変わっていっていることを感じました。本当にありがとうございました。
※ご講演内容は一部抜粋とさせていただいております。
第2部 懇親会の様子
同ホテルの14階にある盛岡の街が見渡せる会場で、懇親会が開催されました。
会長のご挨拶 会長 髙橋 政智 様
新年おめでとうございます。
輝かしい年、希望にあふれた年を迎えられたことと思います。今年も笑顔の多い年になればいいなと思います。
先ほど、嬉しい話が舞い込んできました。株式会社ドリックの澤田社長様に本日初孫が生まれたそうです。誠におめでとうございます!
昨年は、11月8日職業能力開発協会様から技能検定功労団体として表彰状をいただきました。技能検定の推進ということで努力はしていますが、10年で270名の技能士を誕生させた工業会もあるそうです。私たちも見習って倍増できればと思います。
そして、11月21から10周年の記念イベントとして、海外工場視察をしてきました。1日目はタイの機械見本市METALEXで刺激を受け、2日目はジンパオ様の工場見学をしてきました。特に航空産業に力を入れられていて、設計開発から塗装組み立てまで一貫工場でされている規模と、全世界を視野にいれた仕事をしていることに驚きました。翌日はタイのリクシル様を見学し、間違った製品を作らない工程づくりをされていました。
先日、アマダ本社で工業会正副会長賀詞交歓会に参加し、北東北のシンボルマークを入れたバッチをつけていったところ、大変評判でしたので、ぜひ総会までに会員に配れるようにお願いします。
工作機械受注が好調ということで、世の中のモノづくりが動いていると感じました。そんな中、働き方改革という課題もあります。働き方改革は残業時間を減らすだけではなく、現場のモノづくりをどう変えるか考えながら、高付加価値のモノを作って時間を余らせ、給料を上げていくことが大事で、社内での話し合いが大事だと思っています。
4月からアマダさんでも「V-factory」というIoTを展開されると聞いています。
2018年は戌年です。犬は耳もよく、鼻もきく、行動力もある。今年は岩手への誘致を期待されている国際リニアコライダー(ILC)実験場の方針を決めるらしいので、ここ掘れワンワンということで、東北にいい話が舞い込むといいなと思っております。皆さんが幸せで笑顔あふれる「犬笑う」年になることを願っています。
ご来賓ご挨拶 盛岡市商工観光部 ものづくり推進課長 北田 雅浩 様
国内経済は雇用所得環境の改善が続く中、緩やかに改善されているとされていますが、海外経済の不確実性の高まりなど先行き不透明な状況もございます。
皆さまの活動に裏打ちされた高い技術力や北東北3県での会員相互の連携により、地域経済を力強くけん引していただけることをご期待申し上げます。
盛岡市は29年からスタートしたモノづくり応援プロジェクトにより新たな産業用地を整備するなど、モノづくりにおける事業展開を支援していくことと、経済の好循環に盛岡市工業振興ビジョンンのアクションプランの見直しを含めた推進により、商工業の振興を図って参ります。今後ともご協力賜りますようお願いいたします。
盛岡のイベントは、6月には「東北絆まつり」をはじめ、夏から秋にかけて41回目となる「盛岡さんさ踊り」、「盛岡秋まつり」が開催されます。足を運んで伝統文化に触れていただければと思います。
ご来賓の祝辞 岩手県職業能力開発協会 会長 小野寺 則雄 様
新しい年となり、盛岡は雪も少なく大変穏やかな過ごしやすい新年を迎えられました。
景気のいい話を耳にしていますが、地方にいるとなかなか実感がわかない状態です。戌年になり、いい年になるといいなと思っております。
政府はデフレ脱却のために底上げを進めているので、地方にも波及してくるように、皆さま方と協力して進めていただけるといいなと思っております。
前後になりますが、技能検定には大変なお力添えをいただいており大変感謝しております。技能検定は国家検定なので、全国どこでも通用する一流の技能でございますので、活用していいモノづくりに励んでいただければと思います。
乾杯 株式会社アマダ 執行役員 村下 明 様
職業能力開発功労団体の表彰おめでとうございます。北東北の技術力の向上、業界の発展に尽力頂いておりますこと御礼申し上げます。
先ほどよりご紹介いただきましたアマダのIoT「V-factory」は、インターネットで機械とクラウドをつなげ、パソコンやタブレットなどでお客さまの機械の生産高を見える化できるしくみです。
AIのしくみの一例としまして、現在、お客さまの機械が停止してしまった時点でサービス連絡していただいておりますが、今後はAIを使った予防保全ができます。AIやIoTで見える化をすることで、稼働率を上げ、業界全体との競争力をつけていくというサービスを4月より「V-factory」としてリリースさせていただきます。
モノからコトにという中で、運用をお客さまと一緒に考え、この業界のボトムを上げていきたいと思いますので、ご支援ご協力をお願いいたします。
北東北シートメタル工業会の会員企業さまの益々のご発展と、戌年なのでワンダフルな1年になることを祈念いたしまして乾杯!
新たなとりくみとしまして、今年人生の節目を迎えられる方に記念品を贈呈しました。
喜寿(77歳)・・・相談役 株式会社オイカワ製作所 代表取締役社長 及川 賢 様
古希(70歳)・・・経営部 株式会社ネオス 代表取締役社長 田代 弘美 様
還暦(60歳)・・・会長 東里工業株式会社 代表取締役社長 髙橋 政智 様
経営部会長 有限会社藤双製作所 伊藤 浩 様
秋田支部 支部長 株式会社高瀬電設 上野 定之 様
中締め 副会長 武塙 玄平 様
先々週、盛岡で新年会があり、新幹線で北上に帰ろうとそのまま飛び乗ったところ、「次の停車駅は仙台です」とアナウンスがあり愕然としながら虚しく北上を通り過ぎました。皆さま帰りは十分にお気を付けください。
皆さまの健康と会社の益々の発展、そして北東北シートメタル工業会の益々の発展を祈念して、威勢の良い3本締めで締めていただきました。最後は武塙副会長の失敗談で会場は大きな笑いに包まれ、笑顔の絶えない懇親会となりました。
たくさんの会員さまと懇親することができました。余韻に浸られた会員さまも多く、多くのお客さまに2次会まで参加していただきました。
ご参加いただきました会員さまには、この場をお借りして御礼を申し上げます。