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●通り角度不良の要因 | |||||||||||||||||||||||||||
【1.金型に原因がある場合】 | |||||||||||||||||||||||||||
金型の変形・摩耗 | |||||||||||||||||||||||||||
金型が変形または偏摩耗している場合は、当然、通り精度が出ません。 金型位置や分割の組み合わせを替えてみて現象が移る場合は、金型の異常が考えられます。ダイホルダ−においても同様です。 ≫金型メンテナンス画面へ |
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金型の種類によるもの | |||||||||||||||||||||||||||
グ−スネックパンチなど、それ自体の“タワミ“が大きい金型で比較的要求加圧力の大きい曲げを行った場合、ワ−クのある部分とない部分で“タワミ量“が異なるためワ−ク両端の角度が“きつく“なる事があります。
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【2.機械に原因がある場合】 | |||||||||||||||||||||||||||
パンチとダイの芯がずれている 金型が“芯ずれ“を起こしていると、角度左右差が発生します。 再度、確実に“芯出し“を行って下さい。 また分割ダイ使用している場合には、レ−ルとの間に「ガタがないか」を確認して下さい。 |
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ベンダー本体 機械設置レベル、テ−ブル上昇(下降)位置での平衡度の狂い、ガイドロ−ラ− などの緩み、テ−ブル面の変形、(過去に金型を座屈させている機械は要注意)など を確認して下さい。
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中間板 中間板自体の変形・座屈、中間板カ−ブの狂いなどを確認して下さい。 また、加圧して取り付けられているかどうかも要調査です。 |
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※機種により、材質が異なると中間板カーブの設定条件が異なる場合があります。 ※機種により、曲げ長さが異なると中間板カーブの設定条件が異なる場合があります。
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【3.材料に原因がある場合】 | |||||||||||||||||||||||||||
材料品質の問題 | |||||||||||||||||||||||||||
材料の等級によっては、板厚や硬さにバラツキがあることがあります。 等級の高い材料を使用してください。(高精度板厚材) また、材料に局部的な温度変化がある場合も、角度のバラツキを生じます。 板厚変化による角度への影響は SUS<SPCC<ALの順で大きくなります。 |
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圧延方向と板取の影響 | |||||||||||||||||||||||||||
圧延方向に対し、横方向に曲げる場合は、材料の端部と中央部で板厚や抗張力が不均等なため精度不良を生じやすい。 |
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このような感じになっています |
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SPCC-SB(コイル材)t1.2mmの板厚分布の一部です。 中央が厚く、1つのロットの中でもバラツキがあることがわかります。
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【4.作業方法に原因がある場合】 | |||||||||||||||||||||||||||
曲げ位置の影響 | |||||||||||||||||||||||||||
センタ−ベンドが基本となっている機械(RG・III 除くFBD)などでは、オフセット曲げを行った場合、そのままでは角度の通り精度がでません。
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【5.切断方法に原因がある場合】 | |||||||||||||||||||||||||||
材料の切断方法による「ソリ」の違い | |||||||||||||||||||||||||||
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●角度が安定しない | |
実際の作業で「曲げるたびに角度がバラツク」というものがあります。これもさまざまな要因がありますが、機械的要因なのか材料が原因なのかを見極める事が重要です。 |
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[機械的要因] | |
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[材料の影響] | |
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[その他] | |
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[腰折れの影響] | |
「腰折れ」とは、主に大判薄板を加工する時に発生しやすいのですが、材料が跳ね上がる際に材料自体の重さがダイの肩にかかってしまい、肩を支点にして材料が変形してしまうことを言います。スコヤなどで測定すると“甘くなっている”と思われがちですが実際には正規の角度で曲がっています。“甘く”見えるのは「腰折れ」のためで、発生する原因の大部分は、材料の跳ね上がりをサポートする「人の手」の遅れです。 これを解消するためには曲げ速度を遅くし、作業者ができるだけ早めに跳ね上がりをサポートしてあげることが必要です。 また、プルバックD値が“きつすぎる“場合も、腰折れが発生しやすくなります。 この「腰折れ」は、SUSの鏡面材や塗装をした後の製品でひときわ目立つため非常に嫌われますし、製品の仕上がりがバラツク原因になることもあります。 |
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左図のような箱曲げ製品のクボミも、「腰折れ」が原因になっています。 |
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大判で薄板製品には、追従装置を使用すると材料の跳ね上がりをサポートする動作が一定のため、「腰折れ」による加工のバラツキを解消できることがあります。 |
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